ふくらはぎがつる、原因と治し方と予防法のすべてがここで分かる

ふくらはぎがつるのは、高齢者に多いといいますが、高校生でも何の前触れもなく突然起こることもあります。寝ている時に突然ふくらはぎがつり、目が覚めるという不快な思いをした人も多いでしょう。

何の異常もない健常者にも一定の割合で起こります。

この記事を読めば、ふくらはぎがつる様々な原因について理解する事ができ、応急処置や、その後の対応をどうするのが一番よいのかについて知る事が出来ます。

そして、ふくらはぎがつる予防について理解を深める事で、安心してスポーツなどの運動に興じたり、ぐっすりと睡眠をとることができるようになります。

目次

ふくらはぎがつる原因は、どんな時にふくらはぎがつるかで違う

ふくらはぎがつることを、腓返り(こむら返り)といったりします。医学的には、有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)、筋クランプと呼ばれたりします。

筋肉がつる部分は、ふくらはぎの上の部分や内側、外側であったり、土踏まずや足の指であったり様々ですが、実は、どこがつったかはあまり重要ではありません。

ふくらはぎがつるメカニズムは、その筋肉が自分の意思とは別に収縮、つまり緊張して縮んでしまうためです。 そして、筋肉が自分の意思とは別に縮んでしまう要因はいくつかありますが、それは、最終的には血液の流れに大きく関係してくれるようです。

死んだカエルの足に電気を流すと、カエルの足はぴくぴくと動きます。筋肉の運動をつかさどる神経の正体は、電気信号のような物である事がわかっています。

電気信号は、ときに神経が切れたり、電気が通りにくくなると、上手く信号が伝わりません。ふくらはぎがつるというのは、自分の意志で筋肉がコントロールできないのですから、この電気が通りにくい状態が疑われます。

この電気信号を通すのに大きな役割を果たしているのが、電解質とよばれるミネラルです。

ふくらはぎがつるのが飲酒後や夜中など寝ているときの場合は、ミネラルが不足してしまうのが原因

筋肉を伸ばしたり、縮めたりするのは、普段は脳からの命令や、自律神経などによってほぼ自動的に行われたりします。

脳からの命令は、神経伝達物質というものを伝わって、脳から筋肉へ電気信号で伝えられます。電解質とよばれるイオンは、この微弱な電気を正確に通信する為に筋肉細胞や神経細胞の働きに重要な役割を果たしています

ところが、汗をかいたり、お酒を飲んで肝臓の働きが弱くなったりすると、水分と一緒にナトリウムや、カリウム、マグネシウムといったミネラルが含まれた電解質が体の外に出てしまいます。

参考 大塚製薬  電解質(イオン)とは

そうすると、神経の伝達や筋肉の収縮がうまくいかず、自分の意思とは関係なくふくらはぎの筋肉が縮んでしまったりします。ふくらはぎがつるというのは、こういった状態のことです。

カリウムは、筋肉の収縮に関わっており、マグネシウムが不足すると不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんを引き起こします。

参考 厚生労働省 カリウムについて

参考 厚生労働省 マグネシウムについて

健康で何の病気もないのに、ふくらはぎがつるというのは、このような原因が多いようです。つまり、脳からの命令がふくらはぎの筋肉に上手く届かないという状態です。

寝ているときには、汗をかきますが、水分補給ができませんので、体の中から電解質が減り、結果的に脳が意図したような筋肉の収縮が思い通りいかなくなり、ふくらはぎがつるという状況になります。

朝、目覚めと同時にふくらはぎがつるというのは、体の水分量やミネラルの減少と関係があるからでしょう。

また、知らないうちに脱水症状になる、かくれ脱水という症状も気をつけなければいけません。冬は空気が乾燥しますので、皮膚などから水分が思った以上に蒸発します。

同時に、冬にはウイルス感染症などの下痢や嘔吐などによっても体から水分や電解質であるミネラルが不足することが多くなりますので注意が必要です。

また、夏場でも冷房が効いていると室内は乾燥します。夏で涼しいのにも関わらず、熱中症のようなかくれ脱水症状を起こします。

冬や冷房の効いた部屋でよくふくらはぎがつるという経験があるなら、知らないうちに体が脱水症状を起こしている可能性があります。暑くないからといって脱水症状がおこらないと考えてはいけません。

どちらも寝る前に適度の水分とミネラルを補給する事が大事です。

運転中、ゴルフ、登山、部活動などでふくらはぎがつることはありませんか?本当の原因はミネラル不足です。

意外に思われるかもしれませんが、車の運転中も知らないうちに脱水症状に陥る事もあります。運転中にふくらはぎがつるという経験がある人は、運転中にきちんと水分をとり、ミネラルも補給する事を忘れないようにしましょう。

参考 かくれ脱水JOURNAL 渋滞時の車の中は脱水環境

ゴルフなどは体力は使わないように思いますが、5時間近くを使って、時には炎天下でコースを回りますので脱水症状になりやすく、それが遠因でふくらはぎがつる原因になります。これもミネラルなどの電解質不足が原因です。

ゴルフの後にビールを飲む事で利尿作用が働き、さらにミネラルが不足するケースも多いようです。ゴルフをする人にふくらはぎがつる人が多いのも、こういったことが原因なのでしょう。

参考 かくれ脱水JOURNAL ゴルフの脱水症・熱中症対策

登山も脱水症になりやすいです。ふくらはぎがつる人は気をつけましょう。単に筋肉疲労だけではありません。

参考 かくれ脱水JOURNAL 登山やトレッキングでの脱水・熱中症その予防と対策

中学生や高校生でもミネラル不足は起ります。それは、炭酸飲料などのような清涼飲料水を部活の後などにがぶ飲みして、体が高血糖になるペットボトル症候群などが疑われます。高血糖により、体の電解質バランスに異常が起きるのです。

同様に部活動で汗をかくことで脱水症になってミネラル不足を起こしている可能性もあります。中学生や高校生でふくらはぎがつるのは、何か特別な体の異状があるかもしれないと心配する前に、脱水症状を疑いましょう。

参考 かくれ脱水JOURNAL クラブ活動中の熱中症予防と対策

ふくらはぎがつるのが妊娠中の場合、妊娠初期のミネラル不足、妊娠後期の骨盤のゆるみ、便秘などが原因

妊娠初期や、着床したかどうかという妊娠超初期あたりからでも、つわりなどで嘔吐を繰り返すと、脱水症状に近いような状態になり、体から必要なミネラルや水分が出て行ってしまいます。

また、お母さんの体の栄養素がお腹の中の赤ちゃんの為に使われます。そのため、お母さんの体では、ミネラルなどの必須栄養素が不足してきます。

しかし、妊娠中の場合、就寝中のときに起りがちなミネラル不足だけが原因ではありません。それは妊娠の後期に現れます。

妊娠の時期によっても原因がちがってきたりしますので、対処方法も変わってくるので注意が必要です。

妊娠も後期になると、赤ちゃんが大きくなってきて上半身と下半身をつなぐ腰の骨、骨盤が開いてきます。

骨盤が開くと、赤ちゃんの重みと一緒に子宮と内臓が体の下の方に下がってきます。これによって静脈の血管が圧迫されます。

さらに便秘が重なると、さらに静脈を圧迫する事になります。

静脈が圧迫されると血液の流れが悪くなり、足のむくみなどがでてくるようになります。妊婦さんは、足に静脈瘤といって静脈が浮き上がってくるのを経験した人も多いかと思います。

妊婦さんは非妊娠時に比べて、血栓ができるリスクは約5倍にもなるといわれています。それくらい血の巡りが悪くなる確率が高くなります。

では、静脈の血流が悪くなると、どうして脹ら脛がつることになるのでしょうか?それは、ふくらはぎの筋肉の収縮によって血液が心臓に運ばれることと関係があります。

デスクワークや立ち仕事で、ふくらはぎがつる頻度が高くなる理由は運動不足による血行不良

足のつま先まで届いた血液は、静脈を通じて心臓まで運ばれます。それは、実はふくらはぎの筋肉の収縮などによって行われます。

参考 一般社団法人 あしの広報センター下肢静脈瘤広報サイト

心臓は第一のポンプで体中に血液を送ります。そして第二のポンプと呼ばれるのがふくらはぎの筋肉で、体中の血液を、心臓まで戻す役割を担います。

歩くという行為は、それだけでふくらはぎを伸ばしたり、縮ませたりしています。それは実は、血液を心臓に送る役割も果たしています。

丸善出版 トートラ人体解剖生理学より

ふくらはぎの筋肉は血液を運ぶために運動しますが、立ち仕事などでは、ふくらはぎの動きがほとんどありません。その為、血液の流れは自然と悪くなります。

デスクワークも同様ですが、貧乏ゆすりや、体を動かす事が多いと血液の流れはよくなることが知られています。エコノミークラス症候群と呼ばれる症状も、足を動かさない事で、第二のポンプが正常に動作しなくなった結果なのです。

また、図にあるように静脈の血管には弁があって逆流を防いでいます。静脈瘤(じょうみゃくりゅう)はこの弁が壊れる事でおこります。

静脈瘤の人は、ふくらはぎがつりやすいというのはよく知られています。ふくらはぎがつることと血液の流れは深い関係があるということです。

血液の流れが悪いと、筋肉が余分な力を使いますので疲れがたまってきます。だからスポーツをしない人は、たとえ体の筋肉を使わなくても、ふくらはぎだけは疲労してくるのです。

特に体の末端である足の先から心臓に運ぶ血液は、静脈を通じで、下から上に向かって流れます。ただでさえふくらはぎの筋肉に負担がかかるのです。

ふくらはぎがつるのがスポーツや運動中の場合、筋肉疲労と汗などでミネラルが不足するのが原因

スポーツやプールでの運動の場合は筋肉を使いますので、筋肉そのものが疲労してきます。また、サッカーやテニスなどの激しい運動は、酸素を多く必要としますので、血液の循環が普段より多くなります。

また、水泳などでクロールのように泳ぐ姿勢は、足の先がピンと伸びて、ふくらはぎが縮んだ状態を長く続ける事になります。つまりつま先立ちを続けているような状態です。

筋肉が縮んだ状態が長引くと、その状態で力を入れますので、脳が間違った情報をインプットしてしまうことがあるようです。

ハイヒールなども、ふくらはぎの筋肉を縮ませたままの姿勢を維持しますので、同じ状況と言えます。

ロードバイクや自転車のサドルのポジションによっては、同様にふくらはぎがつりやすくなります。つま先立ちに近いポジションになるようなペダリングのセッティングは避けます。ふくらはぎの伸縮幅が小さい程、怪我もすくなくなるようです。

つまり、普通に立っているときはアキレス腱が伸びているのが普通ですが、水泳のようにアキレス腱が縮んだ状態を長く続ける事で、それが普通の状態であると脳が勘違いをしてしまうのです。

また、ジャンプをする際に、普段はこれ以上伸ばさないというところまでつま先を伸ばすと、筋肉が今までにない程収縮することによって、脳が今までの記憶にない状態を経験するため、ふくらはぎがつるということもあるようです。

ですから、水泳は準備体操でアキレス腱を伸ばしたり縮めたり、泳ぐ合間にも適度なストレッチが必要になるのです。

つまり脳に対して、筋肉はここまで縮みますよ、ということを普段からインプットしてやることも重要なのです。

また、スポーツは同時に汗をかきますので電解質の不足によって、筋肉の収縮が上手くできなくなるという原因も起こりえます。

ふくらはぎがつるのが病気の副作用の場合もある

体の水分が抜け、体からミネラルを含む電解質が失われたりするのは、体の臓器である腎臓や肝臓などの病気が原因の場合もあります。

特にアルコールと電解質異常は関係が深いようです。 尿と一緒にからだの外に出てしまうのです。

アルコールを大量に摂取すると、水分や電解質(ナトリウム・クロル)の腸から体への吸収が悪くなり、水分と電解質の排出量が増えます。さらに糖や脂肪の分解・吸収も低下し、下痢を起こしやすくなります。

厚生労働省 アルコールの消化管への影響

これは、ゴルフをする人にかくれ脱水症状を起こす人が多い事からもわかります。

何時間にも渡ってコースを歩いて脱水症状に近い状態になったにもかかわらず、ビールなどのアルコールを飲む事で、さらに体から水分が奪われてしまうのです。

また、糖尿病のように血糖値が高くなると、血液の流れがわるくなり、神経細胞に悪い影響を与えることがわかっています。

参考 糖尿病ネットワーク 糖尿病による神経障害

ふくらはぎがつるというのは、主に右足だけ、左足だけといった片足だけに起るのが多いですが、糖尿病などの病気が原因の場合は、両足に等しく起きるケースが多いようです。

従って、両足に等しくふくらはぎがつるなどの症状があれば、糖尿病の3大合併症といわれる神経障害が疑われます。早めに医師に相談しましょう。

他にも妊娠時の骨盤のゆるみのように、別の原因で骨がゆがんで神経細胞を圧迫していたりして、ふくらはぎの筋肉の収縮の命令が上手くコントロールできないなどの原因もあります。

ふくらはぎがつったときの応急処置と、その後の対応を分けて考えると重症化を防ぐ事が出来る

ふくらはぎがつると、その筋肉は縮んだ状態のままになります。したがって、ふくらはぎがつったときの応急処置は、縮んだ筋肉を伸ばすことです。

ふくらはぎの筋肉の伸ばし方は、手で足のつま先をつかんで引っ張ってやるか、立てるならアキレス健を伸ばしてやることで、縮んだ筋肉が伸びていきます。

水泳中の場合も同様、手でつま先をつかんで、ふくらはぎの筋肉を伸ばしてやります。

誰か人に頼む場合は、足の裏からつま先を体の方向に向かって押してもらう事です。とにかくふくらはぎの筋肉を伸ばしやる、アキレス腱を伸ばしてやるという頭で考えてください。

パニックになると、どっちに引っ張るか迷ってしまいますが、アキレス腱を伸ばすと覚えておきましょう。

戻らないと思っても、つま先を引っ張ってやれば、必ずふくらはぎの筋肉は伸びます。伸びたら固定し、そのままにすれば次第に痛みが取れていきます。

そして、筋肉が固くなっているので、それをほぐしてやるために温めるのがよいようです。温めながら筋肉をやさしく揉みます。

筋肉は、炎症を起こしていれば冷やす、そうでなければ温めるというのが基本と考えます。

参考 大田市立病院 痛いときは冷やすの? 温めるの?

応急処置の段階で冷やすのは逆効果になることが多いです。炎症も起こしていないのに冷やすと、縮んでしまった筋肉が、冷やすことでさらに固くなってしまうからです。

この時にシップを使うなら温湿布がいいでしょう。温めてもむを繰り返します。

しかし、次のような状態になった時は、冷やしてやることが必要になってきます。それは、筋肉が炎症を起こしているときです。

その後も痛みが続く、歩くと痛い、同じ場所が痛くなる場合は、肉離れなどを疑ってみる

初期対応が遅れたり、対処もせずに継続して放置すると痛みが残る事があります。筋肉にダメージが残り、場合によっては筋肉が断裂して肉離れなどを起こすのです。

ふくらはぎがつることがあっても、すぐに痛みから解放されるのが普通です。

しかし、肉離れなどが起こると、何日も痛いのが継続します。翌日もまだ痛いと感じたり、痛みが治まらない、長いこと治らない、痛すぎると感じたら、整形外科などを受診しましょう。

肉離れの症状の程度は、通常3段階で評価されます。軽度であれば歩行に障害がない程度。中度であれば、触ると痛い、押すと痛いという状況。場合によってはうっ血もあります。重度であれば、肉離れを起こした場所がへこむなどの他、筋肉に力が入らない、痛みで立てない、歩けないというといった状況になります。

場合によっては内出血などであざになる場合もあります。そのような場合でも、医者で受診するまでに自分で出来る応急処置をしておくと重症化をある程度、防ぐ事ができます。

自分の症状がどれくらい深刻かは、どれだけ足のアキレス腱が伸ばせるかでわかります。肘を曲げても痛い、あるいは、つま先立ちが出来ないようなときは重症と考えて、早めに整形外科医を受診しましょう。

重度の肉離れは、肉離れを繰り返して起るようですから、最初から重度の肉離れを起こす事はないようです。

参考 公益社団法人 日本整形外科学会 肉離れ

肉離れを起こした場合は、ふくらはぎがつったときとは違い、筋肉が炎症を起こしてしまいますので、冷やす方が有効です。アイシングやバンテリンなどの消炎作用のある薬、モーラステープ湿布、サロンパスなどの冷湿布も有効です。

痛みがなかなか取れない肉離れの症状は、スポーツ外傷と同じと考えて治療するのがよいでしょう。安静にし、冷やし、固定し、寝転んだ状態で体より上に足を置きます。

参考 公益社団法人 日本整形外科学会 スポーツ外傷の応急処置

肉離れの後遺症として、筋肉が硬いと感じる事があります。かたいしこりのようなものは、血の巡りが悪く縮んだままになってしまった筋肉です。マッサージなどでほぐしてやる事が必要です。

軽い肉離れは気づかない事もあります。毎朝、毎晩と毎日のようにふくらはぎが繰り返しつると、実は軽い肉離れを慢性的におこしていて、いつの間にか、その部分の筋肉が硬くなってきて、太くなってくるという事もあります。

ふくらはぎが以前よりも太い、と感じたら軽い肉離れを疑ってください。

漢方薬などを常備することで、重症化を予防する

特に病気もないのに、スポーツなどでふくらはぎがつる事が多い場合、漢方薬などを常備して重症化を予防する方法もあります。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬は、通常服用の3分の1の量で、ふくらはぎがつった時に即効性をもって効きます。事前に服用する事で予防にもなります。

参考 徳島県医師会 こむら返り

しかし、頓服として服用するためのもので、長期に服用するとカリウム欠乏症などを起こす可能性があるので、医師から処方してもらい、服用の指導を受けるのがよいでしょう。

自分で購入する場合は、飲み過ぎないように服用の頻度には十分注意する必要があります。

また、根本的な原因を解決する物ではありませんので、いざと言う時に重症化を予防する為に頓服する(その都度服用する)という使い方に限定しましょう。

ふくらはぎがつるのが頻繁であれば、内科などを受診する

足の痛みの治療と、ふくらはぎがつる根本原因の治療は別に考えます。つまり、そもそもふくらはぎがつる原因が、なんらかの他の病気とかんがえられる場合は、整形外科とは別に内科などを受診します。

または、ふくらはぎの筋肉を動かすのに、脳の命令が正常に伝わらない事もありえます。これは神経の問題で、神経内科を受診する事になります。

例えば、水分補給、電解質補給などミネラルもきちんと摂るように生活習慣を変え、適度に体の筋肉を動かしたりしてもなお、ふくらはぎがつるというのが繰り返される場合は、なんらかの病気が原因でふくらはぎがつるのかもしれないということを疑ってみます。

例えば、閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)は、血管が硬くなることで動脈が詰まってしまう病気です。

その為、足のしびれや麻痺などが現れ、副次的にふくらはぎがつるなどの症状がでたりします。足のしびれなどは、糖尿病の合併症である神経障害でも現れます。

骨のゆがみなどが影響している場合もありますので、その場合は、整形外科で引き続き相談してみるのがよいでしょう。

まず良くお話を聞いて本当にこむら返りかどうかを明らかにします.まれに「むずむず脚症候群」のようなほかの病気が含まれる場合があるためです.そして足を含めた全身の神経診察を行い,血算,カルシウム,マグネシウム,血糖,甲状腺機能などの血液検査を行います.なぜなら,有痛性筋痙攣の原因には,アルコール多飲,糖尿病,甲状腺の病気,肝臓の病気,背骨の病気,特殊な神経疾患などのようにさまざまな原因があるためです.

公益社団法人 鳥取県医師会
夜間および早朝の下肢有痛性筋痙攣(こむら返り)を主訴とする症例のQ&A

ふくらはぎがつる原因をできるだけ取り除き、予防することができれば安心してスポーツもでき、ぐっすり眠れる

ふくらはぎがつるというのが、たまに起るようであれば、その時その時の対応で問題ありませんが、中には、繰り返しふくらはぎがつるという人も多くいます。

その場合でも、何らかの病気が原因であれば、それに応じた治療をすれば言い訳ですが、冒頭でも述べたように、健常者、つまり、健康に何の問題もない人の場合は、どうしたらいいのか迷ってしまいます。

しかし、ふくらはぎがつるのには、一定の原因がわかっています。一つは筋肉の疲労であり、一つはミネラル不足によるもの、そして、血液の循環によるものが主なものと考えていいでしょう。

そして、それぞれに予防する方法があります。

筋肉に負担をかけないようにするには、サポーターで予防(ただし就寝中は不可)

運動選手はよくサポーターをつけます。サポーターの役目はふくらはぎの筋肉を適度に締め付けることで、少ない力で筋肉の動きを補助することです。

その為、使う筋力が少なく済み、筋肉疲労を起こしにくくします。同時に、少しの動きでふくらはぎの筋ポンプ機能が働くので、血液の流れがよくなります。

似たような方法にキネシオテープなどでテーピングをするというのもあります。ふくらはぎにテーピングをする場合、かかとからふくらはぎの上まで引っ張るように貼付けます。

つまり、アキレス腱と同じような働きをテーピングにさせるわけです。筋肉や皮膚と同じような伸縮性がありますので、まさに筋肉の代わりになるのです。それによって、使う筋力をセーブできますので、筋肉の疲労がおきにくくなります。

参考 一般社団法人キネシオテーピング協会 腓腹筋(ひふくきん)

正しい方法でテーピングができないと逆効果になりますので、テーピングが上手くできない場合は、サポーターなどが無難でしょう。

マラソンやジョギング、サッカー、フットサルやテニスなどは、長い時間にわたりプレーをしたり走り続けたりしますので、筋力をセーブするテーピングやサポーターは、とても理にかなった方法です。

特にテニスにおいてのふくらはぎは、フットワークやサーブなどにとても影響を及ぼす筋肉です。そのため、非常に酷使されます。

陸上運動やバレー、バスケ、バドミントンなどダッシュ力を使う運動も、瞬間の筋肉の負担が大きくなります。

注意点としては、寝るときにサポーターをつけてはいけないということです。

寝るときにサポーターをしてねると、ふくらはぎがつる予防になると考えがちです。しかし、サポーターが寝ているときにずれたりすると、予期しない別の場所が圧迫され、逆に血液の流れを阻害してしまう場合もあります。

したがって、就寝中は、サポーターをつけるのは危険です。寝る前に水分やミネラル補給で予防するのが正しい方法です。

またテーピングも同様です。運動する事を前提として、筋肉の負担を増やさないという目的で使用しますので、就寝中にテーピングをするのは、逆にふくらはぎがつる方向に筋肉を縮ませませることになり、逆効果になります。

そもそも寝ているときは足の筋肉を動かしません。

立っているときは、足にある血液は心臓に向かって下から上に流れる為に、第2の血液ポンプであるふくらはぎの負担が大きくなります。

しかし、寝るときは横になるので、その負担は小さくなります。さらに足を高く上げて横になれば、さらにふくらはぎの負担は減り、自然と足から心臓へ血液が流れます。

ですから、寝ている時に圧着ソックスを履くのは無駄であるばかりか、必要以上に心臓へ血液を送り出すことになり兼ねません。

寝る前に水分やミネラル補給で予防する(スポーツ飲料より経口補水液がいい)

就寝中は寝ていますので、水分は摂取できません。ですから寝る前に十分に水分を摂っておく事が大事です。

しかし、水分を摂りすぎて夜中におしっこに起きたくないと思う人も多いようです。実はこれは高齢者に熱中症が多い原因でもあります。

水分量は調整してでも、十分なミネラルを寝る前に補充しておく事は熱中症対策だけでなく、ふくらはぎがつることの予防にもなります。

水よりもミネラルを含んだミネラルウォーター、もしくはスポーツドリンクが有効です。ただし、スポーツドリンクには糖分も多いので、糖分が気になる人はサプリメントか経口補水液(けいこうほすいえき)を検討しましょう。

経口補水液は、糖分も少なくミネラルなど必要な成分が必要十分に補給できるすぐれものです。OS1(オーエスワン)やアクアサポートなどがあります。

  

また、カリウムの補給にはバナナが適しています。バナナにはカリウムが多く含まれていて血糖値の上昇もゆるやかなので腹持ちもいいのが特徴です。

普段からミネラルの多い食べ物や飲み物を摂るというのも予防法の一つです。その為には、ミネラルが多い食べ物を知っておく事が大事です。

参考 くすりの健康日本堂 ミネラルが多い食べ物・食品ランキング

妊娠中は、骨盤ベルトと水分、ミネラル補給で予防。(要医師に相談)

妊娠中は、体の中の胎児から普段とは違ったホルモンがでて、血糖値などに異常がでる場合があります。

参考記事 妊娠で糖尿病に苦しむ人は食事を替えれば赤ちゃんを元気に出産できる

そのため、妊娠糖尿病などの症状が出てくる場合もありますので、妊娠検査の際の血液検査の値などを医師に診てもらって、スポーツドリンクや経口補水液などによる電解質の補給など問題ないかを確認しましょう。

血糖値が高くなると、お腹の赤ちゃんに悪影響がでますので注意が必要です。

妊娠後期には、骨盤が開いて赤ちゃんとともに内蔵が下がってきます。それによって静脈が圧迫され、静脈瘤などの症状がでたりします。

骨盤をベルトなどで固定してやる事で、そういった静脈の圧迫を防ぐ事が出来ます。血液の流れがよくなれば、ふくらはぎがつることも予防できます。

血液の流れもよくなり、お腹の赤ちゃんにもよい影響を与えます。ほとんどの病院で妊婦さんには骨盤ベルトをする事を推奨しています。

骨盤ベルトは、その他にも妊娠高血圧症候群などの回避にも一定の効果がある事が分かっています。

参考 トコちゃんベルトの青葉 骨盤のゆるみやゆがみの影響

また、筋肉の収縮で、ふくらはぎの筋肉が固くなってしまうのを防止するため、足を温めてやるのは有効です。例えば、長めのソックスなどを履いたりするのがよいでしょう。

足の血行を良くするのも、ふくらはぎがつる予防になります。着圧ソックスなどがいいでしょう。

圧着ソックスは医療用もあり、ふくらはぎの筋肉に適度に圧力を加えることで、足の末端から心臓へ向かう静脈の血流をサポートします。

しかし、サポーターと同じく、寝ているときの着用はやめましょう。妊婦さんの場合は特に、お腹の子供に影響があっては大変です。意図しない筋肉に圧力がかかり、逆に血流を阻害してしまう危険があるからです。

寝る時には、ふくらはぎを冷やさないように温める目的で、長めの靴下を着用するのは問題ありません。

マメにふくらはぎの筋肉を動かして、第2のポンプを活動させる

私たちは普段、ふくらはぎの筋肉が体中の血の巡りに関係しているとは思いません。しかし、第2のポンプと呼ばれるくらいふくらはぎの筋肉は重要です。

普段からマメにふくらはぎの筋肉を動かし、温かいお風呂などでマッサージをしてやるなど、筋肉をほぐしてやる事も予防になるでしょう。

デスクワークのように座っていても、立ち仕事にしてもふくらはぎの筋肉を動かし、血液を体中に循環させてやる気持ちでいると、足がつったりすることを防ぐことになります。

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