我が家はそうめん好きだ。何しろ、大きい桐箱に入ったものを買う。
で、いつも「ひね」というのを薦められる。「これがいちばんおいしいですよ。」と言われるからだ。で、その言葉通り、ひねのそうめんを買っていた。
ところが、そうめんには三神と呼ばれるものがある。超高級品だ。ということで揖保の糸に聞いてみたら、揖保の糸には、「三神」「特級」「縒りつむぎ」「播州小麦」「熟成麺」「上級」「太つくり」の種類しかない事が分かった。
えっ、では「ひね」というのは何なの?というのがそうめんへの疑問の始まりだった。
この記事を読むと、そうめんが高級かどうかはどう決まるのか、ということが分かるようになります。
目次
そうめんの材料によって値段が変わる
そうめんは、材料によって値段が変わる。しかし、これは、どの食べ物でも同じかなと思う。材料が良いもの、特に国産のよい小麦を使っているものは高級になる。
例えば、そうめんの代表的なメーカーで作られる揖保の糸では、次のような材料を使っている。
- 三神 上質の原料小麦粉を使用
- 特級 上質の原料小麦粉を使用
- 縒りつむぎ 国内産小麦を使用
- 播州小麦 播州小麦である、粘りが持ち味の小麦「ふくほのか」と、弾力性のある小麦「ゆめちから」を使用。兵庫県産をアピールしたそうめん。
- 熟成麺 特に表記なし
- 上級 特に表記なし
- 太つくり 特に表記なし
何故、そうめんは冬に作るのか?
揖保の糸によると、そうめんは、10月から翌年の4月にかけて作られるそうです。
その理由はこうです。そうめんを作るのは2日がかりで、作り始めの朝は摂氏2度、昼間でも摂氏10度くらいの気温で作るのが最適といわれているからです。
暑いとおいしいそうめんができないので、2日がかりという事を考えると、昼間の温度も重要になってきます。昼までも10度前後までの気温で作業が出来る時期を選んでいるという事です。
しかし、それだけではないようです。今度は夜間の気温が0度近くになると上手く熟成しないようです。つまり、夜間の気温も2度ちかくまでの温度が必要のようです。
ということは、そうめんは作る時期も大事ですが、その土地が、そうめん作りに適した土地でないと出来ないという事です。冬の気温が2度を下回ったり、10度を超える場所ではおいしいそうめんが出来ないという事なのです。
10月から翌年2月の時期のそうめんがおいしくなる理由
10月から翌年2月の厳冬期と呼ばれる時期に作られるそうめんはとてもおいしくなります。揖保の糸では、「三神」や「特級」と呼ばれる高級そうめんが、その時期に作られます。
その理由は、グルテンと関係があります。
グルテンとは、パンを焼く前のパン生地のような状態のものです。これを引っ張って延ばし、乾燥させたものがそうめんになります。
グルテンは、小麦粉を水でこねると生成されます。そして、気温が低いとグルテンへの生成が遅くなり、時間をかけてじっくりと延ばす事になります。そして乾燥した空気のおかげもあってコシのあるそうめんができるそうです。
パンを自宅で焼いた方はこんな経験はないでしょうか?冬の寒い時につくるパンは暑い夏につくるパンより、ふっくら、もっちりとしたものが焼き上がります。それと同じような理由かも知れません。
一度乾燥させて、再び湿気にさらす、これを2回やるのが「ひね」
そうめん作りの現場を見た事がある人はご存知でしょう。そうめんはグルテンを延ばして、乾燥させたものです。冬は湿気が少なく、乾燥するので、そうめんができるのです。
しかし、この乾燥したそうめんをすぐに出荷せず、倉の中で寝かせるとどうなるのでしょう。
木箱の中で、梅雨を迎え、乾燥した麺が湿気にさらされます。この時期を過ぎると麺に弾力ができ、風味が増します。
そして、そうめんを細く延ばすのに菜種油を使いますが、それが上手く分離するようです。
梅雨を越えたのが1回だと「新物」、2回越えたものを「ひね」というのだそうです。
「ひね」とは、あの乾燥したそうめんが「ひね」られるくらいの歯ごたえがでるのです。そうめんをすすって、切れずにコシのあるまま喉を通る。そんなそうめんになるのです。
その「ひね」と呼ばれるものでも「大ひね」と呼ばれるものもあります。梅雨を3回超えたものです。でも4回はないそうです。4回も梅雨を超えると、今度は風味が飛んでしまうようです。
そうめんの値段は、材料、製造時期、熟成期間できまる
ということで、そうめんは、材料によっておいしさが変わり、その製造時期でコシが変わり、さらに何回、梅雨を超したかという事で歯ごたえが変わり、値段の違いになってくるのです。
そうめんが細い程、高級といわれるのは、コシがないと細く伸びないという事でしょう。倉で熟成し、歯ごたえが加わる。
そういえば、我が家のそうめんの賞味期限は2年でした。つまり、2年熟成して、さらに2年、つまり4年が限界で風味が損なわれるという事なんでしょう。3年ものの大ひねであれば、賞味期限は1年という事なんでしょうか。
よく見ると、箱にも帯びにも特級と書いてある。特級の「ひね」ということだ。それなりに高級のようだ。
どれだけ細いか、0.5ミリのシャープの芯と比べてみた。
ちなみに、大ひねと呼ばれる3年ものは、ほとんど目にする事がない。最高級品である三神のそうめんよりも貴重だ。そんなそうめんを食べる事ができる数少ない人もいる。
御中元にいただいたおおひねもののお素麺。とても美味しかったです。 pic.twitter.com/EqFo6hHwjA
— かめさん (@kyamada1502) 2017年8月9日
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