彼は７歳の時に、父が所有していた自宅と農場から家族共々、強制的に退去させられた。彼は家計を支える為に働かなければならなかった。
９歳のとき、母親が死んだ。
１９歳の時に、その後の彼の面倒を見た姉が死んだ。
２２歳になったとき、勤務先の会社が倒産し、失業する。
２３歳のとき、州議会議員に立候補したが、１３人の候補中８位で落選した。
２４歳のとき、友人と起業するため借金をした。その年の末には経営が破綻した。借金が残っていたため、法執行官により資産が差し押さえられた。ほどなく共同経営者が死亡したため、一文無しであるにも関わらず、共同経営者の借金まで背負う事になった。その後の数年をかけ、彼は借金を完済した。
２５歳のとき州議会に再び立候補した。こんどは当選した。
２６歳のとき、婚約した。しかし、婚約者は挙式前に死亡した。翌年、
彼は鬱状態におちいり、神経衰弱に苦しんだ。
２９歳のとき、州議会議長に立候補し、敗北した。
３４歳のとき、選挙区を代表し、アメリカ連邦議会下院議員に立候補した。しかし、敗北する。
３５歳のとき、ふたたび下院議員選に出馬した。今度は当選した。彼はワシントンに行き、国政に死力した。
３９歳の時、任期が終了すると、ふたたび失業した。彼が所属する党では、議員を務めるのは一期と定められていた。
４０歳のとき、内務省国有地管理局の局長職に応募した。不採用となった。
４５歳のとき、州の代表として、連邦議会上院議員選挙に出馬した。選挙人投票６人差で敗北した。
４７歳のとき、所属する党の副大統領候補になった。敗北した。
４９歳のとき、再び下院議員選挙に２度目の出馬を果たした。再度、敗北した。
その２年後、５１歳のとき、挫折と失望と喪失を繰り返した後、そして故郷のイリノイ州以外ではほぼ無名のまま、エイブラハム・リンカーンは第１６代アメリカ合衆国大統領に選出された。
ポールスミス 「リーダーはストーリーを語りなさい」より