世界保健機関(WHO)の専門組織が、ウィンナーを毎日1本食べる毎に25秒の寿命が縮むと発表しました。。
一方、日本国内の国立がん研究センターは、加工肉と大腸がんの因果関係はないと発表しています。
正反対の異なる見解に、私たちはどう考えたらよいのでしょうか?
それは、欧米型の食事をする国と日本は、そもそもベースに食べるものが違う事がヒントになります。
それと、「毎日50グラムずつ余分に食べ続ける」という点がポイントになります。
また、そもそもウィンナーとガンが本当に関係あるのか、ということが問題です。
日本のガンの専門家の結論は、ほとんど影響がないということです。
がんセンターの笹月静予防研究部長は「数字が独り歩きし過ぎている。『50グラム』は忘れてもよい数字だ」
産経ニュース 2015.11.12の記事より
何故、国立がん研究センターは、ウィンナーで寿命は縮まないと言ったか?
それは、そういう研究データが認められなかったからです。つまり、日本国内の研究データでは、WHOが言うような大腸がんとウィンナーのような加工肉との因果関係が認められなかったということです。
これは、別に不思議な事ではありません。
そもそも日本国内と、欧米での食生活の習慣が違います。
同じような話しとして、マーガリンの例があります。マーガリンはアメリカ国内では販売が禁止されている事は、多くの人がご存知かと思います。
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)が心臓疾患の原因と言われ、アメリカではマーガリンの販売を禁止しました。
しかし、日本では、アメリカ国内程、クッキーやケーキ、ピザなどを食べません。アメリカ人の3分の1程度しか、トランス脂肪酸を口にしていません。
従って全く影響がない事が分かっています。それと同じような事が起っているのです。
車に乗る人は、10キロ毎に16秒寿命が少なくなる?!
福井県立大学の岡敏弘教授は、同じようにデータを集めて、自動車に乗る人の寿命がどれだけ縮むかを計算しました。
すると、10キロ毎に16秒寿命が少なくなる、という計算結果が出ました。
では、本当に車に乗る人は、それだけで寿命が短くなるのでしょうか?違いますね。これは単なる統計の数字を比較しただけです。
事故にあった人の寿命を、車に乗っている全ての人の寿命から差し引いて計算したのです。(実際にはもっと複雑な計算です)
つまり、車の性能、交通事情、地域差、運転する年齢や運動神経などは全く考慮されません。ただの統計上のデータから計算しただけです。
しかし、WHOの損失余命という考え方では、車に乗れば寿命が縮まるという表現になります。
車に乗る人は、事故で死んでしまう可能性はありますが、だからといって、車に乗る全ての人の寿命が縮まると言うことにはなりません。
ウィンナーの寿命も、因果関係を無視した、単なる統計上の計算にすぎないのです。
がんセンターの笹月静予防研究部長の「数字が独り歩きし過ぎている。『50グラム』は忘れてもよい数字だ」と言ったのは、この事です。
がんセンターでは、特定の食べものとガンの因果関係があるかを調べています。しかし、WHOは、特定の食べ物とガンに因果関係があると決めつけて、単に集めた数字を使って算数をしているだけなのです。
つまり、車に乗れば、いつかは必ず事故で死ぬという前提と同じ事なのです。最初の前提が間違っていれば、全く根拠のない事だという話しになってしまいます。
日本では、ウィンナーなどの加工肉を毎日食べない
日本では、加工肉を毎日食べ続けるでしょうか?ウィンナーが好きな人も多いと思いますが、そもそも日本は、それ程、加工肉を食べません。
日本人が1日あたりにウィンナーなどの加工肉をどれくらい食べているかというと13グラムという数字がでています。
マーガリンと同じで、食べる量が少なければそもそも影響はないのです。
ただし、国立がんセンターでも牛や豚の肉を1日80グラム以上食べる人と25グラム未満の人では、女性に限って、結腸がんのリスクが高くなると発表しています。
しかし、レストランでステーキを頼んでも1人前が80グラムから100グラムです。それくらいの肉を毎日食べるというのも、日本では現実味が少ない話です。
また、大腸がんではなく、結腸がんということも注目すべきでしょう。
結腸とは、大腸のなかでも肛門にちかいところで、便が溜まりやすい場所です。女性という事は、便秘と関係がありそうな場所です。
こういう研究が因果関係を調べると言う事です。
ウィンナーなどの加工食品は体に悪い、と一方的に考えるのは間違いで、バランスのよい食事をとっていればほとんど影響がないと結論していいでしょう。
こういう報道がでると、早速ですが、発色剤や防腐剤に発ガン性があるとWHOが発表したという人が現れます。そんなことは一言も言っていません。
また、だから無添加のウィンナーを食べるべきだ、という人も現れます。WHOの意見に従えば、無添加のウィンナーも同じく寿命を縮めることになる、と言うことに気がつきません。
WHOという公の機関が発表したからと言って、それを鵜呑みにするのは危険だと言う事を覚えておきましょう。
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