ランチに懐石料理を食べにいこう

懐石料理は、ちょっと敷居が高いと思いがちだが、思い切って、食べにいく事をお薦めしたい。特にランチは値段も手頃で食べられる場合も多い。

自分の中では、フランス料理と懐石料理は絶対に家では作れない料理という位置づけなので月に1度くらいは食べにいく。

老舗の中には王道の和食を出す所も多いのだが自分の場合は、ちょっと現代風にアレンジされた懐石料理が好みだ。

日本料理は、食べながら手間を想像するのが好きで、どのように料理されたかを考えながら食べるとおいしさも一層際立つ。

前菜、少しずつ、いろんな味を楽しむ。瓜を細く切ってじゃこと和えたもの。じゃこは揚げてあるのか食感がいい。穴子の南蛮漬けは、酸っぱすぎず、甘すぎず、つまり両方の味が程よく分かる。イチジクを胡麻クリームと食べる。甘いのと胡麻の香ばしさが上手い。色々な味が独立しながら、全体にバランスよく味付けされている。和食はこういった味を楽しむ事が出来るのがとても好きだ。

個人的には、吸い物が一番の楽しみ。これが大椀なら尚いい。今日は、枝豆のしんじょ。しんじょは箸で簡単に切れるくらいちょうどよい固さ。脇役の茄子は、皮をとったジューシーな中身だけだが、それに香ばしさが加わっている。焼いた後に皮がとってあるんだなと思う。

お造りはポン酢か醤油で。白身はポン酢が合う。赤身は醤油が合う。赤身があぶってあるが、中トロならあぶった方が上手いが、赤身ならそのままがいいかなと思った。ワサビではなく、紅葉おろしでいただく。赤身はワサビの方がいいなと思いながら食べる。大根の白髪の代わりに、ネギの白髪。白髪でも輪切りの白髪。かなり細く、家で真似してネギを切ってみたがこんな具合にならない。辛くなく、食感が大根に近い。これが旨い。写真のネギは子供が食べたうどんの薬味。

煮物は豚の治部煮。治部煮は石川県の郷土料理で鴨か鶏を使うらしいが、それを豚にアレンジしてある。個人的には、こういう郷土料理や伝統料理をアレンジしたものは当たりが多いと思っている。食べてみるとやはり上手い。脂が多い訳ではないが豚がジューシーなのは、治部煮の特徴だろう。柚子胡椒をちょっと載せると味が複雑になって面白い。かぼちゃの味の麩が、これまた味がしみ込んでおいしい。

焼き物は鰈の一夜干し。一夜干しはあまり好きではないが、これは箸で簡単にきれるくらい柔らかくしてある。こういった驚きがあると、味も期待してしまう。食べてみると悪くない。食感が普段食べる一夜干しと違うので、ついつい食べてしまう。トウモロコシのかき揚げも旨い。鮎は小さいが骨も頭も気にならないくらい柔らかく、それでいて柔らかすぎない。甘露煮のように甘すぎず、おいしい。

最後にお食事。トウモロコシの炊き込み御飯。釜で出てくる。トウモロコシが甘くておいしい。みそ汁には再び焼き茄子。食べやすく皮がない。でも香ばしい。普通の茄子なのにやたら香ばしい、みたいな驚きがある。海苔も焼いたものが入っている。ただおいしいというだけでなく、こういった味と香りと食感を楽しむように和食はできてる。

甘味は、マスカルポーネのお汁粉。こういった和と洋のアレンジしたものは結構好きだ。

懐石料理は、時間をかけてゆっくり食べるので腹持ちがいい。ランチに食べると夜は食べなくても平気な事が多いので、ダイエットにもいいと個人的に思う。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする