中耳炎はプールが原因ではないし、プールに入ってもうつらない

中耳炎がプールが原因と思っている人や、そう思っているお母さんが多いようです。中耳炎は耳の病気ですが、耳から水がはいることでなる病気ではありません。

私たちの耳には、ご存知の通り鼓膜がありますので、耳から水が入っても鼓膜の反対側に入ることはありません。

一方、中耳炎というのは、耳の鼓膜の内側、つまり、耳を覗いても見えないところに膿が溜まることです。 従って、原因と考えられるのはひとつしかありません。 それは、鼻水です。

鼻水に何らかの細菌やウイルスが溜まって、それが耳の耳管という所を通って、鼓膜の内側に移動してしまうのです。その為、風邪などをひいた後は、中耳炎になりやすいのです。

参考 【耳と聞こえのQ&A】<急性中耳炎>:社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

もし、中耳炎になりやすいという人や、あるいは自分の子供がそうだとしたら、鼻水をいつもぐずぐずしていないか確認してみてください。

もしくは、小さい赤ちゃんであれば鼻水が喉の奥にたまってゼロゼロ、ゴロゴロといった音を立てていないか確認してみてください。

中耳炎で悩む人、または子供が中耳炎である親御さんは、いつも鼻をぐずぐずしていると言っていることが本当に多いです。

また中耳炎によくなるという人は、副鼻腔炎という鼻の奥が炎症を起こしていることも多いようです。

急性中耳炎も滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)といわれる症状も、多くは小学校に上がるまでの病気と言われています。それは何故でしょうか?

理由は簡単です。小学生にもなれば、自分で鼻をきちんとかめるようになるからです。つまり、鼻水が鼻の奥に溜まったままになる事がなくなるからです。

この記事は、中耳炎とプールやお風呂が実は無関係であるということをまとめてあります。

そして、この記事を最後まで読むことで、中耳炎の本当の原因が何かをきちんと理解し、中耳炎で悩まないようにするために何が必要かを知ることができるようになります。

中耳炎は、熱や痛みがなければプールに入れるし、プールで人にうつることもないが鼓膜切開後は注意が必要

中耳炎は鼓膜の奥に膿が溜まる病気なので、その鼓膜さえ破れていなければ耳から膿が漏れることも、プールやお風呂の水が入ってくることもありません。

ですから、中耳炎の症状がひどく、痛みや熱を伴う場合を除いて、プールやお風呂に入れないという医師は少ないでしょう。

しかし、中耳炎になったことに気が付くのは、膿がひどくなって鼓膜を破った時がほとんどです。 なぜなら、鼓膜が破れるとひどく痛み、高熱にもなりますが、それまでは痛みもなく全く何も気が付かないことが多いのです。

特に子供が中耳炎とわかるのは、こどもが耳を痛がってからになります。その時、中耳炎はある程度進行しています。

その場合は、膿による炎症で熱を出したり、鼓膜が破れることの痛みでとてもプールどころではありません。

熱があれば、学校ではプールには入れませんし、ご家庭でも、風呂に入ることをやめることが多いでしょう。

しかし、中耳炎の症状が治まり、熱も痛みもなければプールにはいることは、ほとんどの医師が許可するでしょう。

参考 耳の病気に関する基本的なQ&A 板谷耳鼻咽喉科

ただし、中耳炎も慢性的なものは鼓膜に穴が開いた状態が続くことがあります。また急性中耳炎でも、膿が鼓膜を破って耳垂れとして出てくることがあります。

また、膿がひどいときは鼓膜を切開して膿を出すこともあります。治療によっては鼓膜にチューブを通し、鼓膜に穴をあけたままにすることもあります。 そうする事で膿みが溜まっても耳の外に出すことができるようになります。

耳から膿がでたり、耳の鼓膜の内側に水が入ったりすることは自分にとっても好ましくありませんし、プールに膿が耳だれとして流れ出るのは、他の人にもよくありません。

しかし、その場合でも耳栓をして水泳キャップを耳まで被ることで回避することができますので、医師に相談するのがよいでしょう。耳栓も耳鼻科で紹介してもらうものを使うようにしましょう。

鼓膜に穴が開いても、いくつかの注意事項を守ることができれば、医師も許可を出すのです。

参考 反復性中耳炎・滲出性中耳炎における鼓膜チューブ治療|北斗病院・北斗クリニック

中耳炎になっていつからプールに入れるかといえば、医師によっても見解の違いはありますが、数日経過して熱も膿もひいて症状が安定していれば入って大丈夫と許可を出すことが多いようです。

中耳炎は耳の病気ですが、鼓膜の内側に起こる病気ということをしっかり理解しておきましょう。熱や痛みがなければプールは問題ありませんし、鼓膜がきちんと閉じて、穴が開いていなければ入っても問題ないと考えます。

中耳炎でも子供の幼稚園などでのプール遊び、赤ちゃんが保育園など浅いプールなどでで水遊びする程度なら全く問題がないでしょう。心配なら綿などを耳に詰めて水が入らないようしましょう。

小学校や中学校などのプールは潜ることもあるので、必要に応じて耳栓をし、水泳キャップなどで覆います。医師に相談するときちんと指導してもらえるでしょう。

慢性的中耳炎である滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)の場合や、中耳炎が繰り返し起る反復性中耳炎などの場合は、医師によって意見が異なりますが、症状として安定していれば医師も許可を出すことが多いようです。

その人の個別の症状によっても医師の意見は変わりますので、担当の医師に相談してみましょう。

中耳炎になったり、中耳炎を繰り返すのはプールが原因ではなく、鼻水などに混じった細菌やウイルスが耳に移動して起こるのが原因

中耳炎になると、それに気がついたときは既に鼓膜の内側に膿みが溜まり、鼓膜を破ってしまうか、今にも破りそうだということで耳に痛みが起こり、同時に発熱を起こします。

そして、痛みをとる為に鼓膜を切開して膿を出すのかどうか、という話が多いので、私たちは中耳炎が耳に原因のある病気と一方的に思ってしまいます。

もちろん、中耳炎は耳の病気なのですが、その原因も耳にあると思ってしまうのは先入観でしかありません。

実際には耳の鼓膜の内側の起る症状なので、耳に水が入ったりとか、お風呂やプールで中耳炎になるということはありません。

中耳炎の原因は、鼻水などに細菌やウイルスが溜まり、その鼻水がいつまでも鼻の奥にある事です。ウイルスや細菌を鼻の中に持った状態が続くと、いつのまにか耳管という鼻と耳をつなぐ管を通って耳に移動し、そこで膿みを発生させます。こうして中耳炎を発症します。

プールは基本的に体温より低い温度で入ることが多いので、鼻の調子を悪くすることはあります。プールで中耳炎の心配をするなら、耳よりむしろ鼻を心配すべきです。

耳と違い、鼻には水が入ったりします。鼻の粘膜は、ウイルスや細菌などから体を守ってくれていますが 鼻が炎症などを起こすと、体の外からの敵に対する免疫が弱くなります。

アメリカのイリノイ州で、蓄膿症(副鼻腔炎)の症状を持つ男性と女性が相次いで死亡するという痛ましい事故が2011年に起きました。原因は、鼻洗浄器というものを使って鼻を水道水で洗浄していたからでした。

鼻から侵入したフォーラーネグレリアといアメーバが脳に寄生し命を奪ったのです。

鼻というのは目や耳、口などにつながっているため、最終的に脳や肺などに細菌やウイルスが入り込む一番最初の入り口になることが多いのです。

それくらい鼻と言うのは大事な場所です。

参考 なぜ、子供さんの鼻を吸ってあげる事が大事なのか?耳鼻咽喉科かめやまクリニック

ですから、あらゆる病気は鼻を健康に保つことで防ぐことができる場合が多いのです。耳も例外ではありません。中耳炎を予防するのは鼻水や、その鼻水が喉に痰などとしてたまらないようにすることです。

中耳炎は小さい子供に多く、小学生くらいになるとほとんど発症しなくなります。それは自分で鼻がかめるようになったからに他ならないのです。

それまでは、親が小さい子供の鼻水を吸ってやる事が、中耳炎をはじめ、風邪やRSウイルス、インフルエンザなども含め、たくさんの感染症の発症率を大きく抑える最良の方法なのです。

中耳炎になりやすい人はプールに入らないようにするのではなく、鼻水をきちんと吸い取ってやることで中耳炎にならなくなる

プールにはいるときに中耳炎の予防をするのではなく、普段から鼻水をきちんと吸い取ってやることが中耳炎の予防になります。

プールに入る時に耳栓をすれば中耳炎にならないと勘違いしがちですが、子供も大人も中耳炎の原因は、鼻水であることがほどんどといっていいでしょう。

耳鼻科の先生は当たり前のように知っているからなのか、中耳炎で膿を耳から出す為に切開するのかどうか、チューブをいれるのかどうかという話しはしますが、肝心の鼻水をきちんと吸い取ってくださいということは指導する事が少ないようです。

中耳炎も完治してしまえば尚のこと、プールに入ることに全く問題はありません。 何故なら、耳にある鼓膜の内側と耳管を通じてつながっているのは鼻しかないからです。

鼻は喉にもつながっていますので、喉に痰や鼻水など溜まりがちな小さい赤ちゃんも中耳炎になりやすいです。

1歳未満の新生児や乳児から、2歳、3歳、4歳くらいまでの子供などは特にそうですが、自分で鼻水を体の外に出すことができないか、苦手です。

特に新生児や乳児は、横になっていることが多いので、鼻の奥にある細菌やウイルスを含んだ鼻水が喉に落ちることも多いです。これが風邪や肺炎などの原因になることもあります。

我が家は3人息子ですが、この3人の誰一人として中耳炎になったことがありません。もちろん、個人差はあるでしょうが、子供が鼻をぐずぐずさせたら必ず鼻を吸ってやるといことを実行したからだと思っています。

風邪になっても軽い症状で終わることが多いです。鼻水の段階で細菌やウイルスを体の外に出してやれば、喉や肺に移動する事もありません。

免疫力の弱い子供は尚の事、鼻水を定期的に吸ってやる事で風邪や様々な感染症になることを防ぐ事ができます。

鼻水は、ホコリや細菌、ウイルスなどが鼻に侵入したときに出てきます。特に黄色い鼻水は、細菌などと戦って死んだ白血球の死骸の色です。

しかし、鼻から垂れてくる鼻水はそれほど重要ではありません。大切なのは、鼻の奥にある副鼻腔というところに溜まる鼻水です。

ここに鼻水が溜まると、その鼻水にウイルスや細菌が潜んでいると炎症を起こし、さらにウイルスなどがいつまでも体の中に残り、それが耳に移動すると中耳炎、喉に移動すると上気道感染症、つまり風邪をひき、肺に移動すると肺炎、脳に移動すると脳炎などになります。

ですから、鼻を常に健康にすることで多くの病気から身を守ることができます。 鼻水を上手に吸い取るには、1000円程度で購入できる吸入器があれば、後は練習するうちに上手くとれるようになります。

鼻の吸引器

鼻の吸引方法はこちらのサイトがとても参考になります。コツは、鼻の奥にある鼻水を吸う為に吸引器を動かしながらベストなポジションを見つけると言う事です。

参考 耳鼻咽喉科かめやまクリニック 子供さんの鼻をうまく吸う方法

子供が鼻水を取るのを嫌がるという話しもよく聞きます。しかし、中耳炎などの病気を繰り返し、痛みや熱を経験するのがよいのか、少しの間、鼻水をすするくらいの我慢をするのとどっちが良いのか考えてみる事です。

子供も、最初は嫌がっていても、鼻がきちんと通ると、そちらの方が快適である事に気がつきます。これは新生児や乳児も同じです。

もう少し大きくなると、自分で鼻水をとってとお願いしにくるという事も子供によってはでてきます。これは全て良い経験の積み重ねなのです。

中耳炎が原因で鼓膜に穴が開くと聴力にも影響を与えます。鼻を健康に保ち、中耳炎のみならず、大人は自身の健康、あるいは自分の子供の健康を考える上で、鼻水のケアは重要だと言う事を覚えておきましょう。

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