子供が耳を痛る時、中耳炎を疑い、解熱鎮痛剤などで痛みを抑えてやる

子供が急に耳が痛いと訴えて、熱がでたり、頭痛など頭が痛いと訴えたりして慌てた経験はありませんか?

その場合、耳の奥が赤く腫れ、耳だれが両耳からでたりすることもあります。

その症状は、中耳炎と考えてほぼ、間違いがないといいます。 問題は、子供がそうなったときに、親として冷静にどう対処したらよいかということです。

もちろん、医師の診察を受けることが必要ですが、夜中など、医師の診察を受けられない場合はどうしたらいいのか、迷うことが多いのではないでしょうか。

この記事では、そういった時にも慌てずに、どのように対処したらよいのかがまとめてあります。

親としてどういった行動をとるのが適切か、今後、どのように予防するのがいいか、医師は通常、どのような治療方針をとるのかなどを知り、安心して子供の治療を見守ることができるようになります。

中耳炎は急ぐ病気ではありません

耳が痛くて受診する子どもの半数は中耳炎です。しかし、耳の痛みはすぐに消えてしまい診察のときに耳の痛みがあることはまれです。
中耳炎の診断や治療が遅れると耳が聞こえなくなると心配されているようです。しかし、診断や治療が一日遅れても全く心配は要りません。
ときには、耳漏(耳だれ)が出ることもありますがこれも心配は無用です。

ふかざわ小児科 夜中に子供が耳が痛いと泣くとき

鎮痛剤には解熱効果もありますので、熱がある場合の対応にもなります。

この記事は、子供が耳が痛いと訴えた時に慌てずにすむように、あらかじめ知っておくべき4つの事についてまとめてあります。

子供の耳が痛い、土日や祝日、夜中に大泣きして困ったときの相談先

子供の耳が痛い、症状としては、急性中耳炎の場合は、激しい痛みと熱や吐き気を伴うことが多いようです。

一方、痛みが時々であったり、耳が聞こえにくいなどの滲出性中耳炎もあれば、飛行機などが原因で航空性中耳炎というのもあるそうです。

子供の耳が痛くなるのは、決まって夜中や休日というのが相場のようです。ひょっとしたら小さい子供は、遊びに夢中だと耳の痛みも気にならないのかもしれません。

平日の昼間なら、すぐにお医者さんに行けば済みますが、どういうわけか土曜日、日曜日などの休日、夜でなければ朝という具合に、お母さんは困ってしまいます。

そこで、中耳炎など子供の耳が痛い原因がわからないと、どうしたらいいかわからないので、夜間の救急などを頼ろうかと考えてしまいがちです。

どうしても心配であれば、#8000をダイヤルしてください。厚生労働省の管轄する小児救急電話相談事業につながり、症状について相談する事が出来ます。自分で判断できないと感じた時は、迷わずに電話しましょう。

現在は47都道府県で携帯電話からの通話も受け付けていますので、固定電話でなくても大丈夫です。詳しくは、こちらをご覧ください >> 小児救急電話相談事業(#8000)について |厚生労働省

子どもさんが、夜中に突然「耳が痛い」と訴えた場合、その原因は急性化膿性中耳炎が最も多いのです。(中略)

突然痛くなることが多いので、はじめての場合、親御さんは大変驚いてあわててしまうと思います。でもここで「夜中に急に耳が痛くなるのは、急性化膿性中耳炎が多い。」という知識と応急処置を知っていれば、あわてずに落ちついて対処できます。

やべ耳鼻咽喉科 子どもの急な耳の痛み、どうすればいいですか?

子供の耳が痛いとき、解熱剤や座薬で熱を冷やすのが治療の基本ということをしっていれば安心

子供が耳が痛いと訴えて泣く、奇声を上げて大泣きする、眠れないなど、そういうのを見ると、親としては、本当に大変な病気になったと考えてしまいます。

どうしたらいいか、おろおろしてしまうのが普通です。

子供が大泣きするくらい痛がる場合、耳で膿が鼓膜を破ったときの痛みと考えていいようです。しかし、それは中耳炎の症状として決して珍しいことではなく、膿みが耳から出てくると痛みも熱も下がってくるようです。

慌てずに対処すれば大丈夫ということです。

子供の耳が痛い時は、医者にかかるとカロナール、コカール、アルピニーのような内服薬、アンヒバのような座薬などの解熱剤や頓服薬が処方されます。

熱を下げてやることが中耳炎の初期の対処法なのです。

しかし、医師にかからなくても、市販薬では内服薬では小児用バファリン、座薬には、こどもパブロン坐薬などがほとんど同じ効果で使えると言う事です。

慌てて夜間の救急で応急処置を受けても、おそらくは同じ対応です。2日から3日は熱を下げて、1週間程度は経過観察をするというのが今では普通の治療法といわれています。

痛み止め(解熱剤)だけでいいですよ

耳痛があるときは解熱剤のアセトアミノフェン(アンヒバ、カロナールなど)やイブプロフェン(ブルフェン、ユニプロンなど)を投与します。アセトアミノフェンでは通常使用量の1・5倍ほど(体重10kgでは150mg、体重15 kgでは200mg)、イブプロフェンでは体重10kgで50mg、体重15kgでは75mgほどを使用します。痛みは30分ほどで治まります。耳だれ(耳漏)が出てきたときはガーゼでふき取り、翌日かかりつけ医を受診してください。

ふかざわ小児科

現在では、中耳炎は自然治癒するものだという認識が多くを占めるようです。

確かに中耳炎は、急性中耳炎から滲出性中耳炎にまで発展し長引くことが多く、治療に時間がかかることも普通です。

しかし、それでも、鼓膜に穴をあけたり、抗生物質を飲んでも、治療期間に大きな違いがないことがわかってきました。

そのため、鼓膜に穴をあけたり、本来はしなくてもよかったことをしたとしたら、子供に大きな負担をかけることになってしまいます。

抗生物質にしても、飲まずに済むならそれに越したことはありません。

急性中耳炎から、治療が長引いて滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)に移行することがありますが、それは治療が遅れたからとか、抗生物質を飲まなかったからとか、鼓膜に穴をあける治療をしなかったからとか そういうことが原因というわけではありません。

もともと中耳炎は、長引く可能性の高い病気だということを知っておけば、慌ててしなくてもいい治療をして、子供に負担をかけるということがなくなります。

急性中耳炎の治療は必要?

急性中耳炎の治療が見直されています。従来の「抗生剤・抗生物質」や「鼓膜切開」などの治療効果は少なく、急性中耳炎の多くは自然治癒することが解ってきたからです。海外では、過剰な治療を避ける治療方針が実行されています。

ふかざわ小児科 子供の急性中耳炎の治療は必要ですか?

子供の耳が痛い、それはプールやお風呂が原因でないことを知っているとどうしたらいいか迷わない

中耳炎は、プールやお風呂で耳に水が入った時になる病気と思っているお母さんも多いようです。耳に水がはいったなんてことは考えにくい、だから中耳炎ではない、と考えてしまいがちです。

しかし、それは間違いです。プールやお風呂が原因で中耳炎になることはありません。中耳炎の原因は風邪やインフルエンザなどによるウィルスが原因です。

ですから、中耳炎になっても、状況に応じてはプールやお風呂に入ることは問題はないといえます。

●お風呂、プールは?

中耳炎はカゼや鼻づまりが原因なので、特別指示がなければ、入浴、シャンプー、プールは、普段通りにやってかまいません。耳に水が入って中耳炎になることはありませんし、悪化することもありません。予防接種も、熱や痛みがなければ、耳鼻科としては問題ありません。

たかはし耳鼻科

心配するとすれば、ウィルスが原因なので、鼻水などを垂らしていたらそれをきちんととってやるということだと思います。

幼稚園や保育園はできるだけ休ませた方がいいという一方で、保育園に預けなければ家庭が回らないということもあります。その場合は、他の子供にウィルスが移らないかどうかを目安に考えるといいでしょう。

Q. 幼稚園や保育園、学校に行ってもいいの?

A. 特に決まりはないのですが、耳だれがでているときや、黄色い膿のような鼻がでているときは集団生活を避けたほうがいいでしょう。中耳炎の症状がなくなり、自分で鼻がかめるなどの処置ができる小学生は、無理のないように登校は可能でしょう。

一般向け「小児急性中耳炎診療ガイドライン」解説書(PDF)

中耳炎が他の子に移るかどうかということより、風邪などのウィルスが移るかどうかという目安です。

子供の耳が痛いときに病院で別れる対応の違い、知っておけば不安はなくなる

子供の耳が痛いときに病院を訪ねるとしたら、何科を受診すればよいのでしょうか?小児科でしょうか、それとも耳鼻科でしょうか?

どちらでも対処は可能なのですが、できるだけ耳の専門である耳鼻科を訪ねるのがよいようです。 最近では、中耳炎のガイドラインでも、中耳炎は自然治癒する病気という認識が高くなっていることがうかがえます。

しかし、昔ながらの治療である、抗生物質と鼓膜切開術で鼓膜に穴をあける治療を普通に行っている医院もあります。

また、症状によっては、従来通りの治療が優先される場合もあります。心配であれば、それぞれの方針を持つ複数の医師を受診して、お父さん、お母さんがどちらかを選択すればよいと思います。

2歳以下の保育園児は、言葉で耳の痛みなどを訴えることができずに、中耳炎が発覚した時には重症化していることがおおいようです。

3歳児くらいでは、発見も早く、重症化することも少なくなるようです。

重症化していない、早い段階では、抗生物質や鼓膜切開術をするかどうか、それは医師の先生によっても変わってきます。

例えば、中耳炎の初期の段階でも膿がひどいと、お母さんとしては早く膿をとってあげたい、と考えるかもしれません。

それとは反対に、鼓膜に穴をあける治療をしなくてよいのであれば、そうしたいと考えるお母さんもいるでしょう。

海外を始め、先進国では抗生物質や鼓膜切開術はほとんど行われていないというのがわかってきて、日本でもそれに倣い始めています。

しかし、子供の親である、お母さんが安心できる治療を選択するということは間違いではありません。二つの治療方針があり、自然治癒力を最大限生かすという治療法、積極的に抗生物質や鼓膜切開術を実施する治療法、その両方があることは覚えておけば不安にならず、安心できるのではないでしょうか。

今の治療法が不安であれば、もう一方の方針を持つ別の医師の診断を受けてみましょう。

子供 耳が痛い、その原因がインフルエンザや風邪だと知っておくと重症化を防いで、予防法もわかって安心できる

子供は風邪を引きやすく、幼稚園や保育園で簡単に風邪をうつしてきます。

風邪やインフルエンザなどによって鼻に膿みが溜まり、それが耳に移動して中耳炎を発症します。

中耳炎の原因の8割は肺炎球菌やインフルエンザ菌と言われています。

そうすると、風邪を治す事が中耳炎の予防にもなりますし、中耳炎の重症化から子供を守る事にもなります。

2歳未満の子供が中耳炎で重症化するのは、耳の痛みや、鼻の違和感をお母さんに伝える事ができないからです。

ですから、お母さんが日頃から、子供の中耳炎は、鼻からやってくるということを覚えておけば、子供が耳を痛がる前に、適切に対応できると言う事です。

3歳くらいになっても、事情は同じです。耳が痛くなるまで、子供は自覚がないのです。その前に、風邪を引いたら、インフルエンザにかかったら、鼻の中に膿みが溜まっていないかを心配する事です。

そして、できるだけ、鼻の中にある膿みを出してやることです。では、具体的に、どのように鼻の奥にある膿みを出してやればいいのでしょう?

中耳炎は、鼻水の吸引をすることで、治りが早くなったり、予防にもなる

中耳炎が耳ではなく、鼻からやってくるという事は説明した通りです。ということは、子供が鼻水をたらしているのに気がついたら、その都度、吸い出してやる事で、この中耳炎の予防になるということです。

また、耳の膿みは鼻から出てきます。それが再び、中耳炎を悪化させない為にも、適切な方法で吸い出してやると、中耳炎の治りが早くなったり、予防にもなります。

中耳炎の予防は、鼻の吸引が大事なのです。決して、耳に水が入らないようにする事ではありません。

副鼻腔炎では、粘り気のある鼻水が、鼻の奥からのどに向かって流れます。
これを後鼻漏といいます。

後鼻漏は、鼻の奥に流れるので、普通に鼻をかんでも、なかなか出せません。

後鼻漏は、鼻詰まり感の他、のどのイガイガ感や咳の原因になり、また乳幼児期のお子さんでは、中耳炎の主な原因の一つになります

乳幼児期の子供さんの鼻水を、丁寧に吸い取ってあげると、中耳炎の発症率を大きく下げることができます

かめやまクリニック なぜ、子供さんの鼻を吸ってやる事が大事なのか?

子供がたらす鼻は、水っぽい鼻水になると思いますが、これは実はあまり問題ないようです。

問題なのは、別の所にある鼻水です。風邪などで鼻の奥にある副鼻腔と呼ばれる所が炎症を起こすときで、粘り気のある鼻水が、鼻の奥からのどに向かって流れます。

これが菌を大量に含んだ鼻水です。しかし、子供が小さいと、これを自分の力で出す事ができません。

これが自分で出せないから、子供は中耳炎になりやすいのです。大人の中耳炎が少ないのは、鼻から菌を追い出す事ができるからです。

したがって、子供の鼻水を大人が吸い取ってやれば、耳から出た菌も、あるいは、耳にこれから入るかもしれない菌も、取り除いてやる事が出来ます。

そうなれば、中耳炎がすぐ治るということも期待できそうです。

吸い取りには子供でも使える吸引器がありますので、普段から用意しておくのが安心です。

ただし、注意すべき点があります。菌は鼻の奥にありますから、上手に吸い取ってやる事が必要だと言う事です。

ただ、子供の鼻から、鼻水を吸い取ってやるだけでは不十分です。

鼻は下をむいていますから、吸引器をつかって鼻を吸い取る時には、鼻に吸い取り口を差し込んだ後、軽く上に持ち上げてやる事で、鼻の奥にある鼻水を吸い取る事ができるそうです。

また、子供は寝かせた状態ではなく、起き上がって座らせた状態で吸引するそうです。

図解付きで詳しく説明したものがあります。こちらをご覧になれば、どのように鼻の奥にある菌を吸引してあげられるか、その方法がわかります。

>> かめやまクリニック 子供さんの鼻をうまく吸う方法(図解入り)

もし、上手く吸い込めない場合は、かかりつけの耳鼻科もしくは小児科の先生に相談してみてください。

子供が耳を痛がった時の対応のまとめ

  1. 子供が泣いて耳を痛がる、それが、土日、休日、深夜など相談先がなければ#8000をダイヤルして相談する
  2. 中耳炎の初期治療は、まずは鎮痛剤などで痛みを取って経過観察をすることだと知っておく
  3. 中耳炎の症状は、耳鼻科か小児科を受診する。
  4. 中耳炎は、自然治癒するという方針になりつつある。
  5. 中耳炎は、自然治癒を方針とする医師と、抗生物質や鼓膜切開などを積極的にする医師がいることを知っておく。
  6. 子供の鼻から菌を吸引するなどすると中耳炎が治りやすくなる。そして予防にもなる。

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