子供の「これ買って」を回避する方法

嫁が二男を幼稚園に登園させた後、三男と帰ってきた時だ。開口一番「コンビニでバナナを買わされた」と言った。

それを聞いて、「バナナを買ったのはあなたでしょ」と言ってやった。いつもバナナを買っている八百屋で買えば5本100円で買えるのに、1本のバナナにいくら払ったのだろうか。いつも買っているバナナより高級でおいしそうだったからという理由ではないはずだ。

理由は三男が「バナナが欲しい」と言ってごねたからに違いない。それを面倒だと思ったのだろう。しかし、これがどうして買わされたになるのか。嫁も三男に言われるがままにバナナを買った事はよくなかったと思っているのだろう。それは「バナナを買わされた」という言葉に表れている。しかも、「大きいバナナだし、いつもと違うから」と後付けで自分の行動を正当化しようとどうでもいい事を言ってくる。

コンビニに寄って子供が欲しいというものを、言われるがまま買うのはよくない。

何故なら、三男は、コンビニに寄って「これが欲しい」と言えば買ってもらえるという間違った事を学んだかもしれないからだ。嫁は、「今回だけだよ」と言ったから大丈夫と言ったが、子供がそんなことを記憶しているとは思わない。それに一体、何が大丈夫なのか?

ある晩、お風呂上がりに「水が飲みたい」と言った三男に対して「着替えてからね」と嫁が言うと、まず水が飲みたいと言う。「じゃあ、水を飲んだら、すぐに着替えるんだよ」と嫁が言うと三男は「わかった」と言う。よくある光景だ。では、水を飲んだ後にすぐ着替えるかと言うと、三男は着替えない。そこで嫁と三男のバトルが始まる。「水を飲んだら、着替えるっていったでしょ」と怒る嫁に対して、三男は、なんだかんだ言ってパンツ一枚のまま遊びだす。

たったさっきにした約束さえ守らない。というかそもそも約束したと言う意識がない。「はい」と言ったら水を飲めるというくらいにしか思っていない。

試しに、明日にでもコンビニに寄ってみると分かる。恐らく「これを買って」と言い出すに違いない。で、いつも繰り返されているようなバトルを繰り返す事になる。「今回だけ」って昨日言ったでしょ!と。最初にバトルになるか、後にバトルになるかの違いしかないなのだ。どうせバトルするなら最初にすべきだ。何故なら、コンビニで欲しいと言ったら買ってもらえるという悪しき前例を作らずに済むからだ。

もし、自分だったら対応は違う。家には、みかんもあれば、食べるものはいくらでもある。だから、「家に帰ってみかんを食べようね」と言うだろう。バナナ以外にも三男の好きなものは沢山ある。「じゃあ、家に帰ってヨーグルトを食べよう」というのもいいだろう。

余分な出費もかからなければ、三男に悪しき前例を作る事にもならない。しかも、三男はきっと喜んでそれに応じるだろう。みかんもヨーグルトも大好きだからだ。

二男の幼稚園の友達を見ても、帰り道にコンビニでジュースを買ったり、お菓子を買ったりというのはよく見る。

ご飯よりお菓子が好きになったり、飲み物と言えば、甘いジュースというのが普通になる。それがいいと思うか、悪いと思うかは親の判断だ。だが、ご飯をあまり食べないとか好き嫌いが多いとか、ジュースばっかり飲むとか、そんな小言はよく聞く。しかし、よくよく考えてみれば、その種をまいたのは親である事が多い。しかし、それが最終的には子供のせいになる。うちの子供はご飯を食べずにお菓子ばかり食べて困っている、というようなことを言う。そう思うなら、そうならないように親は努力すべきだと思う。

子供に「一度だけ」というのは全く効果がない。例外と言う概念が無い。だから、その最初の「一度」を許すと、それが「今日も」になり、「明日も」になり、いつしか習慣化してしまう。ごねれば買ってもらえると思う。

お菓子売り場の前で寝転んだまま動かない子供

ちょっとした例外が子供にさせたくない行動を習慣化させてしまうことは肝に銘じておくべきだ。

子供にはして欲しくない事が沢山ある。だが言い方一つで子供の行動は変わる。「走ってはダメ」というより「ここでは、ゆっくり歩きます」と言う。コンビニで「バナナが欲しい」と言ったら「また今度」ではなく「家に帰って、お家にあるみかんを食べようか」とできるだけ具体的に、別の選択肢を提示してやる方が効果がある。

実際に、そういう言葉が効果を発揮すると、言葉遊びのようで楽しくなる。まるで言葉の魔法みたいだ。コツは子供が行動するのに必要な情報を盛り込む事だ。子供が、その言葉を聞いて、どう行動するかすぐに分かるようにする。「片付けなさい」というより、「これをこっちの棚に戻しなさい。」「この本は、この本棚にしまう」と細かく具体的に指示する。

こどもは「片付けなさい」と言われても漠然として理解していない場合が予想以上に多い。子供がなかなかおもちゃを片付けないのは、どこから手を付けたらいいか分からないだけという場合もある。それはきっと大人でも経験があると思う。

子供が遊びに夢中で、手が付けられないくらい散らかる。子供はそれを片付けようとしても、何から片付けるのか想像もつかず途方に暮れるのだ。

そこで、これはここにしまう、と具体的に教えてやり、それを毎日繰り返していると、次第に、このおもちゃを見たら、ここにしまう。あのおもちゃはあっちにしまう、と子供の頭の中で解決策がすぐに浮かんでくるのだ。

これは子供にとってストレスがない。だから散らかった部屋を見て途方に暮れるということがなくなる。どうすれば片付いて、どれくらいで片付けられるのか、恐らく、それさえ次第に分かってくるのだと思う。

大人も将来のビジョンがはっきりしないと不安になる。しかし、今月はいくらの給料をもらって、どれだけの出費があって、いくら貯金が出来るとわかっていれば安心感があるし、心も落ち着く。子供も大小の違いはあるが、同じようなものなのだ。

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