セブンイレブンのおにぎりがリニューアルで値上げのニュース

セブンイレブンのおにぎりがリニューアルしたというニュースを見た。いや、実はニュースを見たわけではない。セブンイレブンのおにぎりがリニューアルといいながら値上げしたという文句をどこかで見ただけだ。

自分はおにぎりをコンビニで買わない。理由はコンビニのおにぎりの海苔がおいしいとは思わないからだ。家では、自分でおにぎりを握る事が多いが、そのおにぎりのコストの大部分を占めるのが、実は海苔なのだ。

海苔はピンキリで、高価な海苔は、味付け海苔のサイズ10枚程度で2000円くらいするものもある。

何が違うのかと言えば、それは海苔を光に当ててみればすぐに分かる。海苔を透かしてみると高価な海苔ほど光が透けてこない。一方値段が安い海苔は、海苔が薄いばかりでなく、所々に穴があいたようにスカスカなのだ。

それで食べ比べてみれば分かるのだが、海苔の密度の違いは、味の濃さの違いに直結する。海苔の風味も全然違う。風味の濃厚さが歴然とした差となって現れてくるのだ。

実は、自分もこの海苔の違いに気がつくほど敏感な味覚があるわけではない。昔はよくコンビニでおにぎりを買っていた。コンビニのおにぎりは、海苔もパリッとしていて食感もよく、おいしいと思って食べていた。

しかし、何かのきっかけで海苔の詰め合わせをもらったのだと思う。高級な海苔の有り難みなど全く分からなかったときだ。有り難みも何も無いのだが、もらったものだし、海苔が一枚丸ごと入っているから、使い道としてはおにぎりに使うくらいしかないので、おにぎりに使う。

人間の味覚とは不思議なもので、食べ比べてもたいした違いが分かる訳ではないと思っていても、継続的に食べているものの味は、割と正確に記憶しているようなのだ。

海苔の詰め合わせは、おにぎりに使ってみるとそれなりの回数を食べる事になる。そして海苔を食べきって、久しぶりにコンビニのおにぎりを買って食べたときだ。海苔がちっともおいしくないのだ。

何か禁煙の治療を思い出したのだが、禁煙の治療では、吸っても煙草がおいしくなくなるような禁煙補助薬があるという。

確かに楽しいと思っていたものが、急につまらなく感じるときもあれば、おいしいと思っていたものが、ちっともおいしくなくなる瞬間もある。こうして人の趣味は移り変わり、習慣も変わっていく。

だが、値上げをきっかけに消費者がセブンイレブンを離れていったとしても、そんなきっかけでは、人の習慣はそれ程変わらない。値上げが嫌で離れたユーザーは、他のコンビニのおにぎりの値上げで帰ってくるだろう。

しかし、自分がこのニュース、というか、このニュースについてのコメントを見て思ったのは、実は海苔がおいしいとかまずいとかという話しではない。ここ最近、色々な所で値上げの話しを聞く事が多くなったという事だ。近所で売っている弁当も500円だったものが540円になった。今更、消費税分を値上げしてきた。

だが、これは自分的にはとてもいい事だと思っている。日本は長らくデフレが続いたので、ものの値段が上がることになれていない。だからこのような否定的なコメントばかりになる。値段を上げるくらいならリニューアルしなくて結構という訳だ。

だが、ものの値段が上がらなければ、あなたの給料も上がらないという事を理解した方がいい。ここ最近、雇用が改善され、どこもかしこもアルバイトの時給が上がっている。しかも、それでも集まらない地域も出てきてる。東京などがそうだ。

おにぎりの値上げに腹を立てる人が多いように、いままで例えば、100円で買えていたものが120円を出さないと買えないとなると憤ってしまう。そうなれば、給料が上がらなければやってられないとなる。実はそれと同じ事を経営者も考えている。今まで時給600円で雇っていたアルバイトが1000円でも集まらなくなったら、値上げでもしなければやってられないとなるのだ。

今まで600円で雇われた人は、新しく1000円で募集するアルバイトに応募する事もあるだろう。そうなると、今までの雇用をまもろうと既存のアルバイトの時給もアップせざるを得なくなるかもしれない。こうしてじわじわとものの値段が上がってくる。いや、リニューアル失敗とまで言われても、値段を上げざるを得なくなっていると思った方がいいだろう。今までは円安や円高でものの値段が変わっていたが、ここ最近は違う。人件費の高騰から値段が上がっている。

今、まさにそういう状況になりつつあると思えば、値上げもワクワクする話しになってくる。

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