嫁の実家から桃が届いた。その名も

嫁の実家から桃が届いた。スーパーでもまだ、ほとんど桃は見ない。かなり早い桃だ。その名もクイーン遠藤。

全く聞いた事も無い桃の名前で、早速ぐぐってみると、殆どヒットしない。しかし、開けた瞬間の桃の柔らかい香りがとてもいい。形は小振りだが、実は桃は小さい方が旨い。

自分は桃が好きで、その短い桃の季節は、毎日の夕食のデザートにすることを決めている。日本の桃はうまい。デパートでは桃が出てくると必ずと言って中国人が大量買いしていく。その気持ちがよくわかる。

一度、香港のフォーシーズンズに止まった時、ウェルカムフルーツに桃(といってもプラム)が置いてあって、その固いプラムを食べて、フォーシーズンズでさえ、こんなものを出すのかと思ったが、香港にはそんな桃しか無いのだろう。

あの香港の5つ星ホテルでこの有様なら、中国本土など想像するまでもない。あの中国人の桃好きを見るに、恐らく、彼らにとってあり得ない旨さなのに違いない。

話しがそれたが、桃の時期は毎日の夕食のデザートとするため、色々と桃を物色するのだが、去年は、伊達の桃「紅国見(べにくにみ)」を始めとして小さい桃にはまった。

デパートやスーパーの桃を見ると分かるが、どれも大きい。サクランボもそうだが、基本的に大きいものが高価と思われる。それは事実だ。

しかし、サクランボなどは、大きい程、食べ応えがあり、食感も違ってくるので、その価値観は間違ってはいないと思う。梨にについても確実に大きい方が旨い。しかし、桃は違う。桃はうまみが凝縮されるのか、小さい方が旨いのだ。

しかし、それが分かるのは小さい桃を食べてみないと分からない。しかし、小さい桃はほとんどスーパーには並ばない。その理由は売れないからだ。

ということで、産地直送でしか手に入らない事が多い。紅国見も生産者がほとんどいなくなっているらしく殆ど市場には顔を出さないという。この紅国見は、糖度が異常に高い。安い桃はあまり甘くないものも多いが、甘い桃で糖度が11度。13度ならかなり甘いと言われる中、この紅国見は糖度15度にもなる桃なのだ。どうだ!食べたくなるだろう!

そんなことを言われて桃好きの自分が食べない訳にいかない。そこで去年はこの紅国見の中でも特に甘い「特秀」を取り寄せ、柔らかくなった所で包丁を入れ、ぐるりと桃を回して開いてみると真っ赤か。ここまで赤い桃は見た事がない。まるでウメのようだ。梅干しの赤に似ている。考えたら桃はウメの親戚だったろうか。

あまりの旨さにほっぺが落ちる騒ぎではないくらい旨い。

ちなみにおいしい桃を食べたいと思ったら、安い桃を買ってはいけない。というのも、桃はほぼセンサーで甘さが分かるらしくそれが値段に直結するという話しだからだ。安い桃は、痛んでいなければ甘くないと思った方がいい。というより箱買いして等級を高いものにすればはずれはないだろう。

話しは戻って、紅国見の「特秀」に感動した自分は、今度はその中でも1%未満しか市場に出ないという、全く市場に出ない年もあるというくらい貴重な桃、伊達の天といわれるものを手に入れる事が出来た。去年の写真だが、それがこの桃だ。真っ赤でとても小さい。真っ赤だからいいということもないが、ここまで赤い桃はなかなか見る事は少ない。小さいから種も小さい。だが本当に旨いのだ。

しかも小さい桃のいい所は他にもある。野菜室の一番上のトレーの所に収まる事だ。最近の桃は大きくて、野菜室のトレー部分に載せると、冷蔵庫が閉まらないか、上の部分が擦れて痛んでしまう。桃が柔らかくなるのを調整するのに早めに冷蔵庫に入れたり、ちょっとずらしたりするのだが、桃を箱買いすると相当のスペースがいる。リンゴや梨のように硬いものはいいが、桃のように柔らかいものは、野菜室のトレーを使わないと本当に冷やすスペースが無い事に困る。

桃は冷やしすぎると甘みが減るというが、冷蔵庫から出して少し置いておくとちゃんと甘みが戻る。

今年もこの伊達の天が手に入ることを願っている。

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